「アーティスト症候群(大野左紀子)」

【書名】アーティスト症候群

【副題】アートと職人、クリエイターと芸能人

【著者】大野左紀子

【出版社】河出文庫

【出版年】2011年

著者は芸大の彫刻科を卒業し、現代美術係の作品制作を20年ほど行った後に、アーティストを廃業した。「なぜ人はアーティストになりたがるのか。なぜ誇らしげにそう名乗るのか。その称号をもてはやすのは誰なのか。「誰かに認められたい」欲求によって”一億総アーティスト化”した現在、自己実現とプロの差異は一体どこにあるのか。美術、芸能、美容・・・あらゆる業界で増殖する「アーティスト」への違和感を探る。」

「気軽」「自分らしく」「好きなことだけ」「一人」「自分流」。基本をスルーさせる根拠のない自信によるアーティスト志向のキーワード。それは格差社会の中のオンリーワン幻想の中で生まれた、自分を評価し承認して欲しい欲求とリンクしているというのが、大体の論旨。どちらかと言うと面白く読める様に書かれていて、議論はあまり掘り下げられていない。次作の「アート・ヒステリー」に期待。